実習同行
精神障害者の職場実習に同行しました。
1週間の職場実習の初日だったので、
最寄駅で待ち合わせして、
ご一緒に出勤しました。
まず朝礼があり、
先輩社員の方々の前で自己紹介をしました。
次に先輩社員が順番に自己紹介をしてくれました。
私は、
少し離れたところで見守っていたのですが、
遠くからでも、
とても緊張している様子がわかりました。
朝礼が終わると、
先輩社員の皆さんはそれぞれの仕事を始めました。
実習生は、
「パソコンの習熟度を知りたいから、
Word検定の問題をやってみて。」
と言われ、
問題を渡され、
時間を計って、
「10分間で、この文章を入力して。」
とスタートしました。
精神障害者の特性は
過緊張です。
緊張しすぎるのです。
実習初日というだけで
すっごく緊張しているのに、
いきなり
パソコンのテストです。
緊張しないわけがありません。
終わった後も、
「よくできなかった。」
と何度もなんども言っていました。
「今後の仕事の割り振りを考えるためだから、
できなくても大丈夫。」
と言ってくださるのですが、
その言葉は耳には入っていないようです。
「よくできなかった。」
「よくできなかった。」
・・・
パソコンのテストは、
初日にやらなければならないのでしょうか?
ビジネスマナー
就労移行支援事業所のビジネスマナー研修を担当させていただくことになりました。
今日は、その打ち合わせをしました。
こちらの就労移行支援事業所は精神障害者が多く通所されています。
(就労移行支援事業所とは、障害者が一般企業に就労するための準備性を高めるために通所する事業所です。)
精神障害者が一般企業で長期継続就労することは難しいと言われています。
職場でのストレスが精神的な体調を崩す原因となるからです。
精神的な体調の悪化で、職場に行けなくなってしまい、退職になるケースがとても多いのです。
就労移行支援事業所で
ストレス耐性を強くする、
生活リズムを整える、
他人との適度な距離感を身につける・・・etc.
各種プログラムによって就労準備性を高めます。
その一環としてビジネスマナー研修を受講していただくのです。
ビジネスマナーのどのような内容を盛り込むべきか、スタッフの方々と相談しました。
・第一印象
・身だしなみ
・挨拶
・敬語
・お茶出し
・名刺交換
・電話対応・・・etc.
一般の方と精神障害者では必要な内容が変わります。
お茶出し、名刺交換、電話対応はあまり必要ありません。
多くの精神障害者は人間関係が苦手なので、
これらの業務は免除してもらうように配慮していただくからです。
精神障害者が長期継続就労するために一番必要なのは、
自己理解だと考えています。
どんなことがあると不安が大きくなるのか?
体調が悪くなる時のサインは何か?
気分を良くするための方法を知っているか?
これらを知り、自分の体調を管理することができれば、
長期継続就労が可能になります。
心配事
先程、先週1週間体調を悪くして仕事を休んでいた精神障害者に電話しました。
精神障害者の「体調が悪い」は「熱がある」とか、「頭痛がする」とか健常者の体調が悪いのとは異なります。
「心」が悪いのです。
昨日は久しぶりに仕事に行って、
「がんばろう!」と思ったけど、
今日はまた
「やっぱりダメかな。」
と思ってしまったそうです。
なぜそう思ったのか聞いてみると、
新人がみんな仕事ができるから、
「やっぱり健康な人はすごいなぁ。」
「私はダメだなぁ。」
と他人と比較してしまったのです。
ある日突然
「辞めてください。」
と言われるのではないか?
と心配になってしまったのです。
会社の方からは
「よく働いてくれて、助かっている。」
と言われていること
「1週間休んで、そのまま辞めたら困る。」
とおっしゃていたことをお伝えしました。
私も
求職中の障害者に○○さんのことを
「とても頑張っていて、1年半も続いている人がいる。」
といつも話していることをお伝えしました。
すると、
「そう言っていただいて嬉しいです。」
「元気が出てきました。明日も頑張れそうです。」
「電話してくださってありがとうございます。」
と言って、お声も元気になりました。
電話してよかったぁ。